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大阪高等裁判所 昭和56年(ネ)2081号 判決

控訴人

津守光男

被控訴人

フクロクこと

辻盛嘉寿三

右訴訟代理人

佐藤真理

吉田恒俊

相良博美

主文

一  本件控訴を棄却する。

二  控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

一  控訴人は「原判決中、控訴人の敗訴部分を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は主文同旨の判決を求めた。

二  当事者双方の主張および証拠関係は、次のとおり訂正・附加するほか、原判決の事実摘示中控訴人に関する部分と同一であるから、これを引用する。

1  原判決五枚目裏一〇行・一一行目の「四六六、六六六円」の次に「(端数切捨)」を加える。

2  同六枚目裏六行目の「同4の事実は認める。」を「同4の事実のうち、被告光男が別紙目録(二)記載の建物を買受けて原告との間の各店舗の賃貸人の地位を承継したことは否認する。承継前被告亡基治のみが右建物を買受けて右賃貸人の地位を承継したものである。」と改める。

3  同六枚目裏八行目の「事実は、」の次に「承継前被告亡基治が店舗を訴外竹田に賃貸したという点、」を加え、同裏九行目の「否認するが、」を「いずれも否認する。被告光男のみが訴外木田美代子から店舗の建物を買受け、訴外竹田に賃貸したものである。」と改める。

(証拠関係)〈省略〉

理由

一当裁判所も、被控訴人の本訴請求は控訴人に対し金八四万円およびこれに対する昭和五六年四月七日から右支払ずみまで年五分の割合による金員の支払を求める限度で正当としてこれを認容し、その余は失当としてこれを棄却すべきものと判断するが、その理由は、次のとおり訂正・附加するほか、原判決の理由のうち控訴人に関する部分の説示と同一であるから、これを引用する。

1  原判決八枚目表一〇行目の「証人」の前に「原審における、」を、同八枚目裏一行・二行目の「認められる。」の次に「右認定を動かすに足りる証拠はない。」をそれぞれ加える。

2  同九枚目表五行目の「その後に」を「それに続いて」と改め、同表六行目の「書き加えた。」の次に「そして、前記賃貸借契約書によれば、賃借人は本賃借物件を店舗として契約販売種目を厳守することになつており(第四条)、また、賃貸人の書面による承諾がなければ、賃借人は契約販売種目以外の営業をなすことができず(第五条三号)、賃借人において、第四条または第五条に違反したときは、賃貸人は催告を要せずして本契約を解除することができる(第七条)旨約されていた。」を加える。

3  同九枚目裏九行目の「各商人」の前に「各区画の店舗で小売業をしている」を、同一〇枚目表三行目の「商人会」の前に「同センターの商人らにおいて必ず加入して組織する大和センター」を、それぞれ加える。

4  同一〇枚目表七行目の「大和センター」の前に「右認定事実によれば、」を加え、同表七行目の「前述のように、」と同一〇枚目裏六行目の「右認定事実のように、」をいずれも削り、同一一枚目表五行目の「附随して」の次に「ではあるが、前記のような契約目的を達成するため、」を加え、同表八行目の「と認められる。」を「であり、そしてその合意における当事者の合理的意思としては、附随的とはいつても、これを契約上極めて重要視していたものと解される。」と改める。

5  同一二枚目表八行目の「被告光男」の前に「原審および当審における」を加える。

6  同一四枚目表九行目の「請求原因4の事実は当事者間に争いがない。」を「成立に争いのない甲第二三号証、原審における被告光男本人訊問の結果と弁論の全趣旨によれば、承継前被告亡基治と被告光男は、昭和四九年二月二八日新和産業から別紙目録(二)記載の建物を買受けてその所有権を取得し、同年三月一日付でその所有権(基治は持分四分の一、光男は持分四分の三)移転登記を経由し、原告との間の各店舗の本件賃貸借契約の賃貸人の地位を承継したことが認められる。もつとも、成立に争いのない乙第四号証によれば、右建物所有権移転登記について昭和五五年八月二二日付で錯誤を原因として所有者を右基治とする旨の所有権更正登記がなされたことが認められ、また被告光男は、当審において、同被告が右建物について所有権を取得したこともなく、右建物の賃貸人の地位を承継したこともない旨供述するが、右供述部分は同被告の原審における供述と矛盾するのみでなく、前記採用の各証拠によつて認められるように、右基治と被告光男の両名は親子であつて共同して大和センター内の各店舗の賃貸業務の衝に当つてきたものであり、また右更正登記自体、ことにその目的、日時の点を勘案し、さらに成立に争いのない甲第八、第一一号証の各記載に対比するときは、前記更正登記の記載及び供述部分はそのままには採用しがたいところである。」と改める。

7  同一四枚目裏末行の「前所有者」の前に「もと同目録(二)記載建物と同一所有者である新和産業から順次所有権を取得した」を加え、同一五枚目表三行目の「至つたものである。」の次に「そして、成立に争いのない甲第二、第三号証、前示原告本人、原審における被告光男本人の各訊問の結果と弁論の全趣旨によれば、承継前被告亡基治と被告光男は昭和五二年一二月一日店舗を訴外竹田勉に賃貸し、同時に右竹田が同店舗で日用品を販売することを認める約定をしたことが認められる。被告光男は、当審において、右賃貸人は被告光男のみである旨供述するけれども、前記甲第二号証の明確な記載に反するのみではなく、前記に説示したところから明らかなように、右基治と被告光男両名は共同で大和センターを経営してきたものであることが認められるから、前記供述部分はたやすく採用することができない。」を加え、同一五枚目裏五行目の「甲第一号証」の前に「前示」を、同裏七行目の「原告」の前に「原審における、」をそれぞれ加える。

8  同一六枚目裏五行目の「原告本人訊問」の前に「原審における」を加え、同行目の「および同訊問結果」を削り、同裏八行目の「であり、」を「となる趣旨の記載があり、前示原告本人は、」と、同一七枚目表一行・二行目の「ということである。しかし、」を「と供述するが、他に、」と同表三行目の「示すべき」を「確認する」とそれぞれ改め、同一七枚目裏一行目の「二八か月分」の前に「前記昭和五二年一二月一日から同五五年三月末日までの」を加える。

9  同一七枚目裏の一〇行目の「事実」の次に「のうち、承継前被告亡基治が昭和五五年一〇月三〇日死亡し、その相続人が被告光男、同ふで、同徳雄であること」を同裏一一行目の「みなす。」の次に「してみると、右三名は各三分の一の割合で亡基治の前記損害賠償債務を承継したものというべきである。」を、それぞれ加える。

二よつて、以上と同旨の原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(唐松寛 奥輝雄 野田殷稔)

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